matsuzakiのブログ

語源から考えるホントの語源

りんごという漢字

  りんごは漢字で「林檎」と書きますが、この名称は古代の中国にあるものです。 古代から小さいリンゴを林檎(中国語でリンチン)と呼ばれているものです。
日本では和りんご(直径4~7㎝くらいの)で918年の≪本草和名≫に出ています。
利宇古宇(りうごう)と呼ばれていたとあります。近代では江戸時代初期の「本朝食鑑」に利牟古(りむご)とあり、リンゴと呼ばれていました。
  中国語では、禽(チン)は鳥類の総称で、木に集まる鳥として形成文字で檎(チン、日本の漢名はキンとしている)があるのですが、リンゴにしか使わない文字です。
  明治に入り、米国から中国にも日本にも大きなりんごが入ってきました。 これを中国では苹果(ピングオ)と言い(太平洋を渡ってきたことから、“苹”(ピン)にしたとあります)
  日本では明治中ごろから、和リンゴも大きいリンゴも、リンゴとし、漢字は林檎と苹果の両方が使われていました。現代仮名使いでは、リンゴの漢字は林檎に統一されています。
  しかし、林檎と苹果どちらでもリンゴと読めないのです。どこから「りむご、リンゴ」が出てきたのでしょう? 明確に答えている記述は見たことがありません。
  筆者が中国語で調べて得た結論は、リンゴは林果(リングオ)と取り違えていたようです。
 中国で林果は、山林で採れる果物の総称なのです(桃、梨、林檎、苹果、柑橘類等々)。 中国ネットで林果を検索すると、〝近年発展している梨・杏子・桃・苹果等の“林果産業”は‐‐‐″という使い方で林果(リングオ)が出てきます。
  日本でのリンゴの漢字は「林果(リングオ)」、山林で採れる果物類の総称だったのです。昔から誤解していたようです。

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