matsuzakiのブログ

語源から考えるホントの語源

へちまの語源(2)

最初の記事で「へちまの語源」を書きましたが、この語源説をより確度が高いと思っていただけるように、補足してみます。


(1)俗に言われている、糸ウリをトウリとして、トは「ヘとチの間だからヘチマという」です。江戸時代の1775年の方言集≪物類呼称≫が出典です。
(2)糸瓜の書物・文献類での初出は1612年の≪多識編≫で、俗名:倍知麻(ヘチマ)とあり、(1)の≪物類呼称≫が初出ではないのです。
(3)では、「ヘチマ」の書物・文献類での初出はというと、1595年≪羅葡日対訳辞書≫なのです。日本語で「Fechima」(ポルトガル語のローマ字)で、ラテン語で「Cucmer」とあります。かぼちゃ・きゅうり類ということが「Cucmer」から容易に推測できます。
(4)1604年≪日葡辞書≫では、「Fechima」はポルトガル語ですが、”かぼちゃ、ひょうたん科の一種で愛称のようだ” と書かれてあるのです。
(5)≪物類呼称≫の「ヘとチの間」より約200年も前に「へちま」と呼んでいて、163年前に≪多識編≫に”糸瓜の愛称ようだ”と書いてあるのです。
(6)これで「ヘとチの間」説で、”語源は江戸っ子のしゃれ、遊び言葉だった”とネットで書いているのは、とても変ですね。(江戸時代前から「倍知麻(ヘチマ)」とある)
(7)糸瓜は中国から入ってきたことは周知のことです。最初から「ヘチマ(へちま)」と呼ばれていて、後に(20年くらい後に)糸瓜(ヘチマ”たわし”になるから)


(8)では、「へちま」の語源は何であろうか?
  前の記事をご覧ください。中国の黒胡麻(へィチマ)との呼称の入れ違い、だったのではというのが筆者の考えた説です。

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