matsuzakiのブログ

語源から考えるホントの語源

将棋は“指す”という基は?


 将棋は駒を移動する手が主で、かつその動作が指で指す(押していく)ような動作が多いので「将棋は指すという」ということになった。という考え方が一般的なようです。
  しかし、筆者は違うのでは、と考えているのです。そのことを書いてみます。
 明治20年の本《将棋の指方大概》を見ると、この資料から
 ① 将棋の手には、打つ、突く、行く、取る、退く(ノク)、上がる、下がる等がありますが、「指す」はないのです。
  ② 駒台から盤上に置くのは全て「打つ」です。
  将棋する動作の中に「指す」はないのです。駒を指で進めるから「指す」ではないということです。従って、「指す」は将棋をするということに使っているのでしょう。
  では、「指す」はどこからきたのでしょう?
「将棋の指方」と「将棋の指南」は同義と考えます。江戸時代に「剣術指南」があったように、「将棋指南」という言葉があったのです。 明治2年に「西洋将棋指南」という書が出ております。
  指南は指導という意味で、将棋を指導できる人、将棋の強い人、将棋を職業にしている人を「将棋指し」と呼んでいたのです。 坂田三吉も”将棋指し”と呼ばれていた時がありました。後ちに広く、将棋をすることも「将棋を指す」というようになったのではと考えます。日本語の慣用的な言い方になったと考えます。
  【駄足 】 この「指南」という言葉の語原はご存じでしょうか? 
    中国の4大発明(火薬、羅針盤、紙、印刷)の羅針盤は方位を導く(指す)もので、北極星に向けると針が南を指すので「指南針」とも言われていました。
 すなわち、南を指して(導いて)くれる針から指南というのです。
  日本では指導という言葉で使われるようになった、ということと考えます。

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